不特定多数と性交渉をすると子宮頸がんになるの?②
前回、『不特定多数と性交渉をすると子宮頸がんになるの?①』において(医師が雑誌で読者に答える様な際に)『子宮頸がんが修道女において稀な病気だ』という言説が、エビデンスによってサポートされた科学的な主張でないことを議論した。それは、①修道女が性道徳上上位にあると期待されたことと、②子宮頸がんは性病であり”性的に不適切な行動とその罹患に関係があるはずだ”という偏見に基づいたアイディアがその根本にある。
今回は、『子宮頸がんは修道女にはまれで、売春婦に多い』という『不特定多数と性交渉をすると子宮頸がんになりやすい』主張として一番極端なもののなかで、後半部分『子宮頸がんは売春婦に多い』という言説に関して、科学的なデータが示す(しめしてないのだけど)ところと比較し、この誤解がなぜ誤解と言えるのか、そしてなぜこのように蔓延しているのか考えてみる🐰
再度、ここで『売春婦』という言葉は歴史的用語として用いている。既に偏見が入っているのだけど、その(科学ではなく)偏見自体が、HPV感染症・子宮頸がん・HPV関連がんに関する偏見の元にあるという話🐰 科学は道徳に関して言及しない。性産業従事者に対する道徳的見地からの議論を一切含まないことを最初に注意したい。
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- § 売春婦に子宮頸がん罹患者が多いの? §
- § 売春婦に子宮頸がん罹患者が多いの?の正体 §
- HPV感染症・子宮頸がんに関する偏見から何が学べるか
- 一般の人ではない、医学・医療がやらかした偏見の例
- まとめと次回の話
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