見てわかるHPV⑤ノルウェーのがん登録から見たHPVワクチンの効果
2009年に12/13歳学年(当初は女子のみ)を対象にHPVワクチン接種プログラムを開始したノルウェー。接種率は90%を維持している。2024年までのがん登録データが公開されていたのでグラフにしてみたよ🐰

・20-24歳
少ないが一定の罹患者がいたのだがワクチン集団で置き換えらえるとほとんど0になった。2022年と24年は罹患者数は0だった。23年は2人いた。
・25-29歳
2000年頃を底に罹患率が上昇傾向にあった。ざっくり初交年齢の低下と関連づけられていたが、12/13歳でワクチン接種した集団が25歳になり始めた途端(2021年)子宮頸がんが減少に転じた。先頭集団が27/28歳なので、あと2年この減少傾向が続けば30歳までの子宮頸がんは撲滅できる(4価ワクチン接種集団)。
・30-34歳
定期接種でHPVワクチンを接種した人は含まれない。1980年代から一貫して似たような子宮頸がん罹患率が見られる。ノルウェーのHPVワクチンのキャッチアップは定期接種導入に7年遅れて2016年から3年間行われた。日本と似たような状況だ(8年の勧奨中断後3年間行った)。ノルウェーもキャッチアップ接種の効果は少なくとも30代前半には見られていない。日本でもどうなるかの参考になるかな。
30歳未満に見られた初交年齢の低下の影響が見えてないのは注目(オーストラリアは見える。何が違うのだろうか)
余談
グラフには示していないが35歳以降の子宮頸がん罹患率がやや減少傾向が見られている。ノルウェー当局は検診システムの改善の結果としている。そこからわかるのは子宮頸がん検診が効率よく子宮頸がんを予防できるのは35歳以降ってこと。30代前半にはシステム改善の効果は明白には見えないから。
今回はワクチンの効果の対比が際立つ若年者に注目して示した🐰
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