『既感染者がワクチンを接種すると上皮内がんの罹患率44.6%も増加する』の?
『HPV ワクチンの治験データによると、ワクチン打ったら44.6%異形成を悪化させる?』
アマミノクロウサギ
2025.07.18
読者限定
特に感染している可能性のあるキャッチアップ接種者には気になる話でしょう。
しかも、このデータ『既感染と推定される集団にワクチンを接種したらプラセボ群と比較してCIN2+の罹患率が高かった』自体は実際に存在する。じゃあ、本当に危ないの?危ないのを知っていて接種を進めているの?
もちろんそんなことはありません🐰
これもデータの極々一部を全体のコンテクストから切り離して『適当に』解釈したものになります。
説明しよう。
データ自体は4価HPVワクチンの有効性と安全性を評価した第3相臨床試験(FUTURE I)から来ている
アメリカ食品医薬品局(FDA)のワクチン・関連生物製剤諮問委員会(VRBPAC: Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee)が、4価HPVワクチン(ガーダシル)の初回承認時に行った議論に提出された臨床試験のデータとしてみれる(ここでみれる)。
また論文としてはこちらにまとめてある。誰でもアクセスできる公開情報と言えるね。
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続きは、4587文字あります。
- FUTURE (子宮頸部疾患を主体的に減らすために団結した女性たち) studyとは
- ガーダシルの有効性に関するデータ
- 接種前にワクチン対象HPV型の持続感染の証拠があった被験者において、ガーダシルが子宮頸部疾患を増悪させる可能性に対する評価
- ワクチン接種集団にCIN2+を発症しやすい人が多く含まれていた?(評価集団間での不均衡の存在の可能性)
- 試験を繰り返してみると…
- 従って承認申請時の評価をまとめると
- その他あれこれ
- 『既感染者がワクチンを接種すると上皮内がんの罹患率が増加する』心配は全く不要です🐰
- 感染している人・キャッチアップ接種者も全く心配する必要はありません🐰
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