30歳既婚、HPVワクチンを接種した方がいい?

30歳で接種したとしても、子宮頸がん発症のピークである50歳までの子宮頸がん発症にはほとんどインパクトがないと考えていい。(久しぶりに5分でわかるHPV🐰)
アマミノクロウサギ 2024.04.11
読者限定

世界的にはHPVワクチンの対象は9〜14歳の女性となっている。

可能なら同じ年代の男性にも接種(ジェンダーニュートラルワクチンとして)が広がりつつあるが女性に比べると遅れている(主にベネフィットに対するコストの問題だ)。

加えて、先行国では10代の若者に接種対象を広げている国もあるが、20代に接種をおこなっている国は多くはない。公的・保険をなどで20代中盤まで無条件に接種をおこなっている国はアメリカくらいのものになる(これも主にベネフィットに対するコストの問題だ)。

・ワクチンで、HPV関連癌やコンジローマを予防することができる

・HPVには主に性交渉を通じて感染している

・性交渉をするなら誰でも感染するありふれたウイルスだ

30代なんて、性交渉の機会も多いと言っていいだろう。既婚者もパートナーと性交渉をくりかえす。感染リスクも高そうだ。これを聞くと、自費で接種することになっても『接種した方がいいのだろうか』と考えるのが普通だ。

接種した方がいいのか?意味があるのならなぜ、公的には補助されないのだろうか?

この記事は無料で続きを読めます

続きは、2791文字あります。
  • HPVは持続感染をするウイルス。そして長い年月をかけてがんを発症させている
  • パートナー間のピンポン感染は(あったとしても)発がんなどの病態に影響を与えない
  • 将来、子宮頸がんになるとして原因となるHPVには30歳までに感染してしまっている
  • 子宮頸がん発症のピークである50歳までの子宮頸がんは20代までの感染から発症している
  • では、ワクチン接種後に感染が起こるとしたら…
  • まとめ『30歳、HPVワクチンをどうしよう?』

すでに登録された方はこちら

読者限定
HPVワクチンの有効性を“無作為化比較試験(RCT)”でがんの発症と死...
誰でも
パキスタンのHPVワクチン導入はある程度の成功を収めたが課題も浮き彫り...
読者限定
日本では接種してない年齢層でも子宮頸がんの罹患率が低下している🐰
読者限定
HPVワクチンの有効性は『がん統計』を見れば明らかだ🐰(イングランド:...
読者限定
HPVに感染することはどのくらいありふれているのか
誰でも
見てわかるHPV (12)子宮頸がん検診の細胞診と組織診の結果が異なる...
読者限定
感染したHPVは排除されるのか?
読者限定
HPV感染症はピンポン感染するのか?