口腔へのHPV感染と中咽頭がん
サムネは(https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/head_neck_surgery/050/010/index.html)より。
中咽頭扁平上皮がん(OPSCC)の発症率は世界の多くの地域で増加が観察されています。この増加は性行動の変化→HPVの感染率の増加によるのだろうと考えられているわけです🐰
つまり、そのほかのリスクファクター・喫煙や飲酒によるものに加えて(これらは減少傾向と評価されている)HPV関連癌としての口腔咽頭扁平上皮がんが増加しているってわけ。
HPVの感染がOPSCCの原因になっているであろうことは、1980年代に子宮頸がんからHPV16型18型が発見されて以降、HPV発癌に関する研究を通じて明らかになりました。
一方、OPSCCや頭頸部がんにおけるHPVDNAの検出率には、地理的に大きなばらつきがあるのが特徴。世界的には平均値として、OPSCCの約4分の1から・口腔がんの7.5%・喉頭がんの5.7%からハイリスクHPVのDNAが検出されるとされます。
これが米国の値になると、OPSCCの70%・口腔がんの32%・喉頭がんの20%からになる🐰(グラフ)
地域別にHPVの検出率が異なるのはこっち。OPSCCだけ取り出してみた。地域によって、大きく数値が異なるのがわかるだろう。
また、強調すべきは世界全体で見た場合『HPVの感染が原因となっているであろう頭頸部がんの増加』が観察されているということだ。
過去の数値よりも現在の数値が大きくなっているし、未来の数値はさらに大きくなるだろう。特に接種が接種『数十年後』のリスクを下げる効果があることを考えると、将来のリスクに対して議論をする必要があるということね🐰
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