世界のHPV事情①モロッコから
日本国外における簡単なHPV関連癌に関するまとめ。モロッコは2022年よりHPVワクチンプログラムを開始した(日本の勧奨再開と同じタイミングね)。運用の実際における日本との違いよ🐰
アマミノクロウサギ(Amamino_Kurousagi)
2025.01.10
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モロッコには15歳以上の女性が約1400万人いる。15歳以上とは具体的にHPV感染のリスクと子宮頸がん・HPV関連がん発症にさらされている年齢集団の事(これが15歳までにHPVワクチンを接種することを目標としている背景)。
年間、2200人が子宮頸がんと診断され1200人が子宮頸がんで命を落としている。モロッコにおける女性に発症するがんのうち、罹患率も死亡率も第2位の疾患だ。
罹患率に直すと年間10万人あたり10人強になり、罹患率は日本よりやや少ないくらいだが、死亡率は日本より高くなっている。罹患負担は似たような物だが、生存率が低い。
(日本でもそうだが)モロッコにおけるHPV感染・子宮頸がんは大きな負担となっていて、解決すべき公衆衛生上の重要問題と言える。
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続きは、2534文字あります。
- WHOが設定した目標:モロッコにおける課題
- モロッコの選択:4価ワクチン2回接種プログラム
- 目標を達成するために必要なこと・ワクチン接種すると決めるだけでは動かない🐰
- HPVワクチンの供給の確保
- ワクチン接種を適切に行うため、コールドチェーン(低温管理)要件を厳格に遵守し・運用する
- 予防接種サービスの品質保証プログラム
- ガバナンス(統治体制)
- 監視、評価、研究の推進
- コミュニケーションを社会全体に組み込むこと
- まとめ
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