ハイリスクHPVは、みんな同じくらい危ないの?
今回は、このマシュマロをお題とするね

HPVワクチンを接種しても、HPV感染・軽度異形成は(それほど)へらない
HPVワクチンを接種すると(2価・4価・9価ともに)子宮頸がんが大きく減少するが、HPV感染や軽度異形成もすべて同じように減るわけではない。
HPVは型ごとに別のウイルスで別の感染の原因となる←これ基本。
子宮頸部に感染しうるHPVは数十種類あるが、子宮頸がんの原因となる・いわゆるハイリスクHPVは13〜15種類。ポイントは、それぞれのHPVはそれぞれ、異形成の形成しやすさ・前がん病変(CIN2/3・AIS)の発症しやすさ・浸潤癌の発症のしやすさが異なる。
日本からの報告の一つを見てみてみると…
浸潤子宮頸がん
①(2価・4価で予防できる)16/18型が85%の子宮頸がんで検出される(原因となる)
②(9価で予防できる残りの)31/33/45/52/58型が8%・①と合わせて94%となる
腺がんもHPV関連癌が圧倒的に多いのだが、特徴はHPV18型の寄与率が大きくなることね🐰
前がん病変(CIN2/3・AIS)
これが前がん病変になると、
①16/18型の割合は半分弱となり、31/33/45/52/58型の割合が大きくなり44%となる
②腺がん系の前がん病変は18型の寄与率が大きくなることが特徴だ。
異形成(CIN1)
これが異形成になると
①16/18型の割合は16%となり
②9価対象のHPVを加えても半分に届かないくらいとなり
③現行のHPVワクチンでは予防できないものが半分以上を占めるようになる
ここには示されないが、異形成未満・HPV感染に関しても同様の傾向に拍車がかかることになる。
ここから言えることは、型分布だけから単純に見積もると、2価HPVワクチンは、子宮頸部に感染しうる数十種類のHPV感染の大部分を防ぐものではない一方、軽度異形成の約7分の1、前がん病変の半分弱、そしてHPV陽性子宮頸がんの約8割を占める16・18型を予防するワクチンだということだ🐰(なので、このマシュマロの例のように、ワクチンを接種していても子宮頸がん検診でひっかっかって異形成が…という例はそこそこ出るし、管理・理解が重要になる。タイプリプレイスメントの話はまたそのうち、とりあえず心配しなくていい)
コンジローマを予防できず、当初は男性も接種対象ではなかったサーバリックスが、日本で認可された当時に「HPVワクチン」ではなく、通称「子宮頸がんワクチン」と呼ばれた背景もこれ🐰
HPV感染を予防するワクチンではあるが、「HPV」という一種類のウイルスを丸ごと防ぐワクチンではない。別々のウイルスであるHPV16・18型の感染を防ぐことで、感染や軽度異形成よりも、将来の子宮頸がんを選択的に大きく減らすワクチンなわけ🐰
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