英国におけるHPVワクチン接種の男子への拡大をめぐる議論(後編):同じ科学から、異なる結論へ(2018年)
費用対効果が悪く『男性は女性が形成する集団免疫で十分』と男子への定期接種化を見送った英国🐰一年で方針を変更したが、何があったの?
アマミノクロウサギ
2026.08.01
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2017年、英国の予防接種・免疫合同委員会(JCVI)は、HPVワクチンの定期接種を男子にも拡大することを推奨しなかった。すでに女子の接種率が高く、男子も集団免疫によって相当程度守られていたため、既存の女子接種プログラムに男子を追加して得られる利益は限られていた。
標準的な条件で計算すると、男子への拡大は費用対効果の基準を満たさなかった(ワクチンがタダで供給されたとしても見合わない)🐰
ところが一転、翌2018年JCVIは男子への定期接種を勧告。この1年間に、HPVワクチンの有効性を一変させるような新しい科学的発見があったわけではない。変わったのは、主として将来のがん予防効果を経済評価にどう反映するかという評価条件(費用対効果上の正当化)と、男女平等を政策上どのように扱うかという判断になる。
『2017年の判断が科学的に誤っており、2018年に新しい科学によって訂正された』という話ではない。
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- 男子への追加接種、費用対効果上も「ギリ正当化できる」
- ①2017年:ワクチンが無料でも見合わない
- ②2018年:「時間」の評価を変えると費用対効果上正当化できる
- ③感度分析:接種率が10%ならどうなるか
- ④ 男子接種にも価値はある。それでも女子接種が優先されてきたのには妥当性がある
- ⑤ 費用対効果上はギリギリ正当化できる。では「男女平等」を加えるとどうなるか
- そもそも英国の評価方法は、男子に不利🐰
- ⑥ この英国の議論を日本に敷衍するとどうなるか
- 男子接種によって予防される疾病をどこまで評価対象に含めるか(当然中咽頭癌は外せない)
- ワクチン効果の持続期間と割引率(20代までの感染を予防し中年以降のがんを予防する。将来の価値を高く評価する)
- 集団免疫をどう評価するか(男女双方向に効く・ただし高い接種率を達成すると意味は小さくなる)
- 男女平等をどのように扱うか(日本は女性を優先しなければいけない状況ではなく、男女平等を達成できる国ではないのか)
- 付記:費用対効果とワクチン価格
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