円錐切除後の断端陽性について
「高度異形成となったため円錐切除をした。病理検査で4、5、6時方向で腟側断端への露出を否定できない。追加治療は行わず、3か月後に細胞診で経過観察となりました不安」
このようなマシュマロ🍰をもらったのでお題にする🐰
PMID: 30974183 サムネはこちらから
高度異形成はなぜ治療するのか・治療目標は何?
子宮頸部の高度異形成(HSIL/CIN3、上皮内がんもカテゴリとしては同じ)は「がん」ではない。いわゆる前がん病変になる。放置すれば一部から浸潤がんが発症することが分かっている(発がんリスクが高い)から、治療の対象になっている。
ざっくりその確率は、20年間で20%程度🐰
一方、軽度異形成(CIN1)は自然治癒することも多く、発癌リスクと直接関係ない(発癌リスクが高くない)ことがわかっているから、治療対象になっていない。
発癌リスクの多寡によって治療するかどうかを決めるのだから、治療する理由は当然→『高くなっている子宮頸がんになるリスクを十分に下げるため』になる。すると…
(実は浸潤子宮頸がんが発症していないか確認する診断的な意味は置いておく🐰)
高度異形成組織があることが発癌リスクと関係あるのであれば『治療目標は高度異形成がない状態にすること』→(切除系の治療であれば)高度異形成組織を全て取り除くことになるはずだ。そのため
・切除標本の断端(切り取っていない体の中に残っている組織との境目)に病変が残っているかどうかが問題になる
・断端陽性であれば、体の中に残っている組織に病変が存在することを示唆するからで、それならば
・高度異形成がない状態になっていない可能性が高く、子宮頸がんリスクが十分に下がっていないのではないか
となって、追加治療をした方がいいのではと不安になるのは当然と言える。
実際、追加治療をマネージメントの中心にすえるやり方も『過去には』あった🐰
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- 前提:治療はなるべくしたくない
- ところが、断端陽性でも多くの人には高度異形成が再発しない
- 病変が残っていたとしても、消えてしまう(再発しない)のはなぜなのか
- 断端陽性でも、どこの断端かで意味が違うわ🐰
- 子宮頸がんの好発部位は移行帯の頸管側(子宮内膜側)境界(SCJ)だ
- さあ、まとめると
- ①断端陽性だったとしても、一律に追加治療するわけではない。
- ②しかも今回は「腟側」断端
- ③「断端陽性」として扱うのはCIN3またはAIS以上の病変が断端にある場合
- ④断端陰性でも陽性でも、その後の経過を見てリスクを更新していく
- ⑤フォローアップも、細胞診だけを見る方法から、HPV検査を組み合わせたリスク管理へ移ってきている
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