HPV関連中咽頭がんに対する検診法は実現しますか?
国際パピローマウイルス学会(IPVC2024 Edinburgh)でのディベートセッション
アマミノクロウサギ(Amamino_Kurousagi)
2025.01.13
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HPV関連がんは、子宮頸がんの原因として先に発見され研究が進んだために、中咽頭がんには一歩遅れることになった。
その辺の経緯はこちら『誰がHPVワクチンを接種するべきか(3)男性を対象とすることが遅れた理由』に説明した。
子宮頸がんには『適切なタイミングでのワクチン接種』と『適切なタイミングでの子宮頸がん検診』と予防法が確立している。今回は『』に関する議論だ。
検診は検診によってもたらされる利益が、検診をすることによる負担・コストを上回らないとやってはいけない。こちら『ワクチンを接種した人たちには子宮頸がん検診を減らした方がいいのだろうか?』で議論した。
中咽頭がんがあるとして、検診による予防・死亡率の減少を目的とした、検診の導入のための『臨床試験を行う』ことができるだろうか・準備が整っているか?に関する議論ね。
『子宮頸がん検診』も臨床試験(観察・介入研究)を経てその効果が実証(そして不利益より利益がうわまわること)されてから大々的に導入された。中咽頭がんもそれに続けるかって話。
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- 中咽頭がんの負担は増加傾向にあり公衆衛生上の問題となってきた(検診が必要とされるほど十分大きい)
- 次の40年間発症するHPV関連中咽頭がんはワクチンで予防できない
- 中咽頭がん検診は子宮頸がん検診と違ったものになる
- 早期発見を目的とした検診の方法もないことはない
- これらを考慮しても総合すると検診トライアルを行う準備は整った
- 検診の利益・不利益の比は検診を正当化するに十分か?
- 陽性的中率・陰性的中率に関するデータを持たない
- 誰を検診の対象とすべきか?年齢は性別は?検診とは基本的に全員が対象となるものだが🐰
- まとめ
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