誰がHPVワクチンを接種するべきか(3)男性を対象とすることが遅れた理由
HPVは男女関係なく感染し、男女関係なく病気の原因になっている。それなら、なぜそもそも男性は最初からHPVワクチンの対象ではなかったのか?
アマミノクロウサギ(Amamino_Kurousagi)
2023.12.09
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HPV感染症が男女関係なく健康上の問題になっていて、感染予防に男女関係なくワクチンは有効だ。ワクチンの第一の利益は接種した人が感染・疾患から守られることだから、男女関係なくHPVを接種する利益がある。『ジェンダーニュートラルワクチン』と言うこと。簡単な話だね🐰
HPV感染症の負担・HPVワクチン接種の効果・利益に男女・年齢によって違いがあるから、確保されるワクチンの量や国ごとの費用対効果の考え方、優先順位などによって、実際のワクチンプログラムの対象は変わる。
優先順位に男女差があるとは言え、ワクチン先進各国で男子へと接種が拡大していくのを見ていると、当初から男性が対象でなかったのはなぜだろうか、と疑問をもつのも当たり前ね🐰
『HPV感染による発がん』が解明された経緯
今となっては『HPV感染が原因によるがん(HPV関連がん)が、全がんの5%程度を占める』ことがわかっていて、HPV感染症とその結果としての発がんが公衆衛生上の問題であることは常識となった(よね?🐰)。でも、人類が東アフリカで出現して以来、HPVは人類に蔓延し続けていて、病気の原因になっていたのだけど、HPV感染ががんの原因になっていたって人類が気づいたのはつい最近のことだ。
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- HPV関連癌・それは子宮頸がんから始まった
- 子宮頸部以外の場所のHPV関連がん・特に男性におけるHPV関連がんに関して
- 4価ワクチン・ガーダシルの効能・効果は
- HPV関連中咽頭がんは比較的あたらしいHPV関連がんである
- 中咽頭がん予防を目的としてHPVワクチンの接種を推奨できるか
- まとめ
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