HPVワクチンの安全性評価④ワクチンの安全性に関する世界諮問委員会によるレビュー(2014年)
ワクチンの安全性に関する世界諮問委員会(Global Advisory Committee on Vaccine Safety: GACVS)とは、ワクチンの安全な使用に関してのガイダンスを提供する『独立した』専門家グループ。同委員会は1999年にWHOによって設立され、その責務の一部としてワクチン・セーフティ・ネットを監督している。ワクチンセーフティネットに関してはこっち。
GACVS年に2回会合を開き、その結果をWHO Weekly Epidemiological Recordに発表しています。その中でHPVワクチンに関しては2006/7年上市後、安全性に関してその時点のエビデンスで総合的にどの様な評価ができるか・今後の課題に関して議論されています。
ここで示された評価は世界中の専門家の保健機関の大部分がざっくり同意する内容ということね🐰ぜ
前回2013年までのまとめは
HPVワクチンは世界中で1億7,500万回以上の接種が行われた。
現時点で利用できるHPVワクチンの安全性に関するデータから、安全性に特段の懸念がないことが確認された。
アナフィラキシーと失神は、2009年以前に懸念事項として認識された結果、さらなる評価によって対処され、製品表示に適切に加えられた。アナフィラキシーと失神は接種時に起こりうる病態として挙げられるが、ワクチンの接種をためらう様なリスクではない。
潜在的なシグナルとして報告された重篤な有害事象として『ギラン・バレー症候群、痙攣、脳卒中、静脈血栓塞栓症、アナフィラキシー、その他のアレルギー反応』などが挙げられる。これらの疾患に関して、米国のVaccine Safety Datalinkより詳細に調査され、ワクチン接種と因果関係のある副反応であることを示すデータはない(副反応でないことを支持するデータが一定存在する)。現在までこれらの疾患はワクチンの副作用として考えられない🐰
妊娠中にワクチン接種を受けた女性の妊娠転帰について、自発報告や登録によるサーベイランスを行ったが、自然発症率から予想される以上の有害転帰は検出されなかった。妊娠中の接種に対する安全性を指示する一定のデータの蓄積がなされた。
今回はその翌年2014年に行われたレビュー。どのような進展がありましましたでしょうか。
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- HPVワクチンの安全性に対するシグナルは検出されていない
- ワクチン接種後に自己免疫疾患・神経性疾患・血栓性疾患の増加は確認されない
- まとめ
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