性交渉以外でHPVは感染するの?
ざっくり、性交渉以外の感染経路が確実にあることは以下のさまざまな事実から示唆される。
①医療・非医療環境において、ものの表面からHPVのDNAが検出されること。DNA自体は感染性ウイルス粒子の存在と一致しないが、その存在を示唆する。
環境中にウイルスがいるのであれば、それによって感染が成立することは理論上あってもよさそうだ。
②処女・童貞からのサンプルでHPV DNAが検出されること。これも感染していることとは一致しない(デポジットかも)しれないが、感染の存在を示唆する。
HPVのDNAがヒトから検出されれば、そのHPVに感染していることが示唆される。もしくは、身近にウイルスの産生源・感染者がいてそこからのウイルスがデポジットされたかだ。その場合も感染する可能性があるのは同じだ。
③乳幼児の再発性気道乳頭腫症やコンジローマの発症は性交渉によらない感染経路+発症を強く示唆するし、子供にボーエン様丘疹症が発症することはハイリスクHPV (特にHPV16)の性交渉によらない感染経路を示唆する。
もちろん性的虐待の存在をどの程度考慮するか・実際どうなのかという議論はあるが🐰子供にHPVが感染病変があったとしても全てに虐待があっとするのは正しくないだろう。
実際、子供においてHPVの感染病変があるわけだ。ここでは癌やコンジローマに関するHPVについて議論したが、普通のイボが主に子供の病気であることを考えると『皮膚に感染指向性』のあるHPVは、性交渉によらず感染しているのは明らかだ。
だれか、足裏の感染病変としてのHPV1型による足底疣贅が性交渉のみで感染するって主張するヒトいますかね?
④マウスのパピローマウイルスを用いた感染実験では、ものの表面に付着したウイルスは一年後でも感染性を維持していた。
パピローマウイルスの環境中での感染性は結構維持される。そうやって、次の感染先に出会うのを待っていると言える。
この辺になるだろうか。
それぞれ見ていこう。今回は論文(PMID等)つけて、それぞれ簡単な解説をするスタイル🐰
パピローマウイルスは乾燥に強いウイルスだ
パピローマウイルスは非エンベロープウイルスであり、理論上乾燥に強いことが推定される。
実際、抽出したウイルスであっても乾燥した環境で数日間感染性が持続した(PMID:9333171)。これは古典的な論文。3日で半分程度・7日で3割程度の感染性が維持された。感染性の評価は細胞に感染させ、ウイルス遺伝子の発現を定量した。
ざっくり4桁下がること、感染性が0.01%以下になることが感染性がなくなると評価される。十分感染性が維持されるというわけ。
PMID: 21208649は同様の実験を偽ウイルスを用いたウイルスの感染性測定実験を行ったもの。
ざっくり1週間後でも感染性を維持しているのだけど、湿っていた方が、乾燥しているより感染性を維持していたという比較を行った。湿っていると感染性が維持される?と引用されることはある根拠となる論文と言える。でも、その後の研究と合わせると否定的。一つは、偽ウイルスと実際のウイルス粒子の感染性・ウイルスの完全性が異なりそうだということ。偽ウイルスがより乾燥で壊れやすい可能性があること。
また、パピローマウイルスは感染病変の表面から細胞に包まれる形で脱落し環境中に放出される。その様な形態では、その感染性が一年たっても減弱しないことが、マウスのパピローマウイルスの系で確認されている(PMID:33421945)。同論文の学会発表では、イボを擦りけたプラスチックを、次のマウスに擦りつけた場合、次のマウスの皮膚の表面の擦り付けた場所には1平方ミリあたり100万以上のウイルス粒子としてのHPVDNAが検出され、もちろんそこにはイボができた(感染した)。
この論文は、感染性を実際のイボの出来やすさで定量している(しかも4桁以上のダイナミックレンジをもち、感染性がなくなったことを科学的な基準で示すことにも成功している)。
また、学会発表のレベルだが(論文は投稿したと著者から話を聞いた)動物研究施設で、マウスのパピローマウイルスのアウトブレイクが、数年の時を超えて発生した事例が報告された。ものを介した感染が起こりうることを強く示唆する知見だ。
この、3桁・4桁というのは日常的にもよく見ているはずだ、一般的な(消毒剤と言ってはいけない)商品で『この洗剤はバクテリアを99.9%を殺す』とか(これ3桁)。実験的に99.99%以上殺すことを示せば、消毒効果があると言っていい。
実をいうと、ウイルスよりバクテリアの方が定量しやすい。
医療・非医療環境双方において、HPVDNAがものの表面から検出されるのは普通
これはレビュー論文を見てもらうといいだろう(PMID: 26433493)。タイトルが結構キテる。
おちんちんは必要ない:性行為を伴わない・ペニスの挿入を伴わないHPVの水平感染の可能性に関する系統的レビュー
HPVがどの様に感染するのかを検討するために行われた研究において、
その『主な』感染経路が挿入を伴ういわゆる性交渉であることを主張しない論文はない。子宮頸部への『主な』感染経路が性交渉であることは間違いない。
これは大前提だ。
このレビューでは、α-HPV(免疫が正常な人に増殖性の感染病変を作るグループ、コンジ・子宮頸がん・普通のイボの多くがこれ)の非性行為感染・挿入を伴わない性交渉に関する感染のエビデンスを示唆する研究・51の報告を調べた。15の報告は医療環境や非医療環境(一般的な環境)における、HPVDNAがどの程度検出されるかに関してで、36件の研究はヒトにおける性行為以外の感染に関して扱ったものだ。
いくつか論文を見てみよう
性的経験がないのにHPVに感染してるというのはあり得る
(PMID:19268884)では、114人の4歳から15歳のさまざまな理由で婦人科を訪れた女性の、膣・外陰のサンプルにおけるHPVDNAの存在を調べたものだ。
4人は性的虐待をされていたために解析から除かれた。
4人(3.6%)からローリスクHPVの、13人(13.6%)からハイリスクHPVDNAが検出された。そのうち2人には、臨床的に確認できるイボ(いわゆるコンジローマ)があった。
結論は、臨床的に症状を持たない感染まで含めると、性的な経験や虐待歴のない女性でHPVが感染していること自体は一般的と言えそうだ(15%あればね)。
(PMID:8389707)では、387人の14〜17歳の女性を一定期間追跡調査したもの。このうち、22人が挿入を伴う性交渉を持たなかった。このうち10人においてα-HPVが検出された。16型/18型(ワクチンが標的とする特に悪性度のたかいHPV)が検出されたのは1人だった。この論文の面白いところは、ここから。この10人は挿入を伴う性交渉は行っていなかったのだが、7人はそれ以外の性的行為(ディープキスや性器を手でふれるなど)の経験があった。おそらくこれが、HPVが感染したことを説明できるだろう。
また、性交渉をしたグループにおいても、HPVのDNAが検出された・ざっくり感染したタイミングと初めての性交渉をしたタイミングはよく相関していた。性交渉をすると、あっさり感染しているわけだ。
もちろん逆の報告もある。PMID:17532028では、処女であると考えられる251人を調べて、26種類のα-HPVは検出されなかった。年齢の中央が40歳であったこと(感染していても陰性化した可能性)や、精神疾患で入院中の集団であったことなど、特別な集団だったとも考えられる。
PMID:12706855では、コンジローマが発症したが処女と自己申告した132人に関して調べた(年齢中央値26歳)ケース。HPV検査は行わず、症状としてのコンジローマだけの存在をHPVの感染の指標とした。
詳しく調べてみると、132人のうち、44人は陰茎→膣の接触はなかったが、いわゆる性的な接触(陰茎→手・肛門やオーラルを含む)があった。いわゆる処女と一般にみなすこととと性的に未経験(感染リスクとして考えられる性的経験のないこと)は別であるということだ。その上その様な場合、パートナーの半分は、コンジローマの罹患歴があった。
一方、88人は、あらゆる意味での性的接触をもつパートナーはいなかったが、3分の2の人は『パートナーと言える人がいた』。その上、そのパートナーの37%でコンジローマの罹患歴があった。性的な接触を介さない感染がありうることを示唆する。いずれにせよ、物を介した感染や垂直感染・家族内感染などを含めた、性行為以外の感染があることが想定できる。
若い男性のHPV検出率はどうか。コンドームで防げそうか?割礼は感染予防に効きそうか?シャワーを浴びると?
PMID:27489299。これはブラジルの若い男性を調べたもので、88人の童貞と分類される男性の性器のサンプルからHPVのDNAが検出されるかを調べた🐰
25%から何らかのHPVが検出され、18%はハイリスクであった。リスクファクターは年齢。年齢が高いほど検出率が高くなる。
特にイボの様なわかる感染病変があるわけではない。一方、時間をおって経過を観察すると、陽性率は下がっていく。検出されたりしなかったり、臨床上も検査上も、検出感度ギリギリ、以下の感染ということができる。
一方、性的に活動的な男性で、持続的なHPV検出率は比較的高い(同じ報告中に44%とある)。解釈が難しいが、感染病変として感染細胞が多いなど、性交渉を介した感染は、その規模に違いがある可能性がある。
ここでもHPVの陰性が感染を意味しないことがよくわかるだろう。
これは少し話がずれるが、若い男性におけるHPVの検出率についてみたもの(PMID:17955430)
色々面白いので紹介する。性的に活動的な18歳〜23歳の男性を2年間追跡して、HPV検査を繰り返した。
①2年間のうちにHPVの検出率は5割を超えた。
検出と感染は一致しないが、最終的には半分以上のひとがHPVに感染していると推定できた(女性で調べた他の調査とそう変わらない)。新しくパートナーを持つことが、検出リスクと相関した。
②亀頭・亀頭以外の陰茎・陰嚢からのサンプルでHPVの検出率は差がなかった。
陰嚢の表面にいるHPVからの感染をコンドームが防げると思う?思わないな🐰
③80%の人が割礼を受けていたのだが、述べHPVの検出率に差はなかった。
一回だけ検査をしたのなら、検出率に差が出る様なレポートはあるのだが、しつこく検査をくりかえすと、HPVに感染しているかどうかで言えば、割礼を受けているかどうか、仮性包茎かどうかとHPVの感染率に差がない。
④HPVが検出される前に新しいパートナーを持つことが検出リスクだったが、性交渉の回数は、一回とそれ以上では差がなかった。
性交渉の頻度が感染リスクと直結していないことが示唆され、新しいパートナーを持つことの方がリスクとなる。
⑤検査する日の朝、前日、前々日に風呂に入った(シャワーを浴びたか)でHPVの検出率が2倍異なった。
HPVは感染病変の表面から細胞と共に放出される(いわゆる垢に含まれる)。風呂に入らなければ蓄積するため、量が多くなり検出されやすくなるというわけ。納得🐰しかし二つの点が指摘される。
・洗おうと洗うまいと感染病変は残っている、つまり感染していて感染源になりうる。程度に差があるのかはわからない。
・HPVが検出されるかどうか、検出されないことが感染していないことを示さない。洗うだけで陰性となりうるが、もちろん洗うくらいで感染がなくなるわけではないよ🐰
⑥延べ7%で指の爪からHPVが検出されたよ。
どこに感染しているか知らないけど、指から検出されることはあるってこと。中年以降、指や爪のボーエン病(HPVが原因の前がん病変)が発症することから、指や爪自体に感染することも確実にあるわ。
カップル間でどの程度HPVはトランスミッションするのか?
PMID: 23319742。これも話はずれるけど、短期間の男女間の性交渉でどの程度HPVがお互いに伝播するのかを調べたもの。その意気はよし🐰といえるが、想像しても難しく、エビデンスレベルとしては解釈に注意が必要。
まず、若い女性(最近性的なデビューをしたと人が多く含まれる集団で)HPVの感染率を時間をおって調べてる別の研究で『前回は陰性だったが、初めてHPVDNAが検出された女性(つまり最近初感染が起こったと解釈できる)』に参加してもらって、パートナーを含めて研究に参加してもらう。
お互いに観察期間中、前後はパートナーはお互いのみで、違うパートナーを持った場合解析からはずす。2人の間での伝搬を調べるためのものだ。
2人の間でHPVの検出が陽性になったり、陰性になったりする。一見『ピンポン感染』と考えてしまいそうだが、HPVが感染して治癒(陰性化)してまた感染して検出されるというサイクルをこの短期間で起こすことは考えにくい。
このため、検出は常にあるものを『検査感度以上・以下』で表現したものというわけだ。そのHPVはどこからきたのか?二通り考えられる①自分にある感染病変からのもの②性交渉で相手からデポジットされたものと言える。
計5回HPV検査をした。1回目検査(ベースライン)のあと、24時間以内に性交渉をした時の検査、その後48時間あけて(性交渉禁止)3回目も検査、自由に性交渉をしてもらって、4回目・5回目と検査をした。徹底している。
ざっくり、HPVの検出は男女間で一致する。普通に性交渉をすればHPVは2人の間で共有されることになる。一致率は検査回に応じて75%〜95%で両方の体のどこかでHPVが検出された。
外陰部・性器周辺の一致率が一番高い、自分が感染しているにせよ・デポジットされたにせよ(おそらくどちらもだ)、外陰部・性器周りのはHPVが特に好む(よくいる場所)と言える。
この研究で、伝染率(トランスミッション)は次のように定義される。
1回目の検査で片方が陽性で、2回目の検査で相手が陽性化したもの。また、HPVの検査陽性は性交渉の24時間以内が、72時間後よりも高い。つまり、性交渉直後は相手からデポジットされたHPVが検出されやすい(潜在的感染機会があった)と評価できるわけだ。
一回目の検査結果をリファレンスに、その後の陽性化率でトランスミッションを定量化しようと試みていて『性交渉をもつ男女は1ヶ月以内にお互いにHPVを移し合う可能性がある』と評価している。その時、男性→女性より女性→男性がやや高い(数値上はそうなる)と評価しているが、サンプル数のすくなさ、モデルの不完全さからは結論を付けるには言い過ぎに見える。それよりも、この論文で強調されるべきは
①性的パートナー間でHPVは簡単に共有される。
②口腔の検出頻度は低いが、外陰・性器・指・肛門周囲のHPV検出率・一致率は高い。外陰での検出率が高めではあるが、全体的に体のどこからでも検出されると言っていい。お互いに全身でHPVを共有していると言える。
③一回のHPVの検査は陽性化したり陰性化している。ここでも陰性化は感染がなくなったことを意味しない。外陰・性器が検出率が高く、肛門、指と低くなる、口腔はさらに低くなるが検出される。HPV検査と言った場合、女性であれば子宮頸部からのみの検査で、1ヶ月で何回も繰り返すことはしていない。陽性・陰性が感染している・した・いないを意味しないのはわかるだろうか。
話がそれたね🐰
医療現場でのHPVの汚染と感染の可能性
PMID: 22588197。CO2レーザーでコンジローマを治療する現場でのHPVDNA汚染。DNAが検出されることと、感染性ウイルスがいることは同じではないが可能性の問題としてありうる。
グローブからは頻度高くHPVが検出された(直接患者と触れるからね)。一方、マスクや口腔内内からは患者と同じ型のDNAは検出されなかった。きちんと防護器具を使用していれば感染リスクは低いと言えそうだ。
Official journal of American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery, (1991 Feb) Vol. 104, No. 2, pp. 191-5に報告されたものでは、再発性気道乳頭腫症を治療するCO2レーザーの噴煙からHPVのDNAが検出されるという物。DNAが検出されることと、感染性ウイルスがいることは同じではないが可能性の問題🐰
この報告にとどまらず、皮膚のイボにおけるレーザー治療時の噴煙からHPVのDNAが検出されるという報告はいくつもある。
当然だが、経腟エコープローブの表面は使用後HPVに汚染されている。PMID: 22761513とかPMID: 2311019とか。潜在的な感染リスクと言える。プローブの適切な汚染低減措置・洗浄・消毒の重要性は強調されるよね🐰
ものの表面からHPVが検出されるのはわかった🐰他には?
外陰や性器・口腔以外の話🐰
PMID: 22886326では、処女と申告のあった学生の尿を用いてHPVが検出されるかをしらべると、10%弱からHPVが検出された。しかし、処女とHPV感染リスクのある行為の有無の間にギャップがあるのは上で論じた通りだ。
子宮頸がんのスクリーニングとしてサンプル自己採取どころか、尿のサンプルを用いてもある程度可能であることが検討されているのは面白い。
まとめ🐰これらをどの様に解釈すればいいのか
もちろん全ての報告でHPVが検出されているわけではないが、これらの報告から、理論上も実際上も性交渉以外のHPV感染があることは確実だ。処女・童貞とHPV感染リスクとしての行為の違いというのを抜きにしても、あらゆる性的接触を抜きにした感染経路は確実にある。
ここに示した数字は思ったより性的デビューより前に感染しているリスクが高いことを示しているが、二つ注意点がある
①ここでの感染率は全てのハイリスクやα-HPV全体・ローリスクを含めた数字ということだ。HPVは型によって癌になりやすさが変わる。感染していても全てが癌リスクにつながるわけではない。HPV16に感染しているのはこのうちわずかだ。
②ワクチン接種の結果を見てもらえばわかるが、より若いほど効果が高いとは言え、大部分がいわゆる、処女(や童貞)である12歳頃までにワクチンを接種すると、ワクチンのタイプのHPVによる子宮頸がんはほぼ完封できることがわかる。つまり、ここでいう性的デビュー前の感染リスクが、20代〜30代の癌の大きな発症リスクになっているということはない。やはり癌リスクから見た場合のリスクの多寡は性交渉を持ったパートナー数で決まっている。
定期接種のタイミングでワクチンを接種すれば大抵が大丈夫だ。思春期以降はあらゆる意味で感染リスクが高くなる。そしてそれは、挿入を伴う性交渉だけではない。
性交渉によらない感染経路、処女・童貞が感染していることは、性交渉を介した感染爆発の起点となっている。
性交渉が主な感染経路とは言え、性交渉以外の感染経路を抜きに、集団内のHPV感染のダイナミクスは説明できないと言える。
性的デビューをすると、比較的短期間にHPVに感染してしまっている。5人もパートナーを持てば、癌発症リスクとしては飽和してしまうほどに。そのHPVはどこから来たのか?
それを説明する鍵がここにある🐰
HPVは一度感染すると、持続感染して生涯感染源・キャリアになる。この様に考えよう。
例えば、男女共に平均的に5人性的パートナーを持つとしよう。そして、生涯でHPV16に感染する人を20%としよう(そしてその中の5%が癌として発症しているとする。そうすると全体で1%で16型によるHPV関連癌が起こっていることを説明できる)。
新しくパートナーを持つごとに、そのパートナーにHPVを感染させていくわけだ。平均、5人パートナーを持つ集団が、20%の感染率に達するには、性的デビュー前にどのくらいの人が感染していればいいか?
1%だとすると…
1人目のパートナーを持った時点で、全体の2%がキャリアになる。2人目で4%、3人目で8%、4人目で16%、5人目で32%だ。毎回相手が16のキャリアでない理想的な条件だが、1%もいらないことがわかるだろう。
そして、癌のリスクとなるHPVは16だけではない。ざっくり15種類あり、それぞれに独立した感染で、その感染リスクが非常に高いことは上に説明した通りだ。女性が、初めてのパートナーから50%くらいの確率でハイリスクHPVに感染してしまう理由はここにある(そしてその相手にとって自分が初めての相手とは限らない)
処女・童貞同士のカップルが癌発症リスクが低い、性交渉をする人たちのなかでは一番小さいのはたしかだが、検診を受けないでいいと言えるほど、低いと言えない理由もわかってもらえるとありがたい。
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