性交渉以外でHPVは感染するの?

HPVの主な感染様式は性交渉とされるが、性交渉以外の感染経路に関してどの程度わかっているのか?
アマミノクロウサギ(Amamino_Kurousagi) 2024.06.07
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ざっくり、性交渉以外の感染経路があるりそうなことは以下のさまざまな観察事実から示唆される。

①医療・非医療環境において、ものの表面からHPVのDNAが検出されること。DNA自体は感染性ウイルス粒子の存在と一致しないが、その存在を示唆する。

環境中にウイルスがいるのであれば、それによって感染が成立することは理論上あってもよさそうだ。

②処女・童貞からのサンプルでHPV DNAが検出されること。これも感染していることとは一致しない(デポジットかも)しれないが、感染の存在を示唆する。

HPVのDNAがヒトから検出されれば、そのHPVに感染していることが示唆される。もしくは、身近にウイルスの産生源・感染者がいてそこからのウイルスがデポジットされたかだ。その場合も感染する可能性があるのは同じだ。

③乳幼児の再発性気道乳頭腫症やコンジローマの発症は性交渉によらない感染経路+発症を強く示唆するし、子供にボーエン様丘疹症が発症することはハイリスクHPV (特にHPV16)の性交渉によらない感染経路を示唆する。

実際、HPVの感染病変があるわけだ。ここでは癌やコンジローマに関するHPVについて行っているが、普通のイボが主に子供の病気であることを考えると『皮膚に感染指向性』のあるHPVは、性交渉によらず感染しているのは明らかだ。だれか、性交渉のみで感染するって主張するヒトいる?

④マウスのパピローマウイルスを用いた感染実験では、ものの表面に付着したウイルスは一年後でも感染性を維持していた。

パピローマウイルスの環境中での感染性は結構維持される。そうやって、次の感染先に出会うのを待っていると言える。

この辺になるだろうか。

それぞれ見ていこう。今回は論文(PMID等)つけて、それぞれ簡単な解説をするスタイル🐰

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続きは、7877文字あります。
  • パピローマウイルスは乾燥に強いウイルスだ
  • 医療・非医療環境双方において、HPVDNAがものの表面から検出されるのは普通
  • 性的経験がないのにHPVに感染してるというのはあり得る
  • 若い男性のHPV検出率はどうか。コンドームで防げそうか?割礼は感染予防に効きそうか?シャワーを浴びると?
  • カップル間でどの程度HPVはトランスミッションするのか?
  • 医療現場でのHPVの汚染と感染の可能性
  • ものの表面からHPVが検出されるのはわかった🐰他には?
  • まとめ🐰これらをどの様に解釈すればいいのか
  • 性交渉によらない感染経路、処女・童貞が感染していることは、性交渉を介した感染爆発の起点となっている。

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