『海のはじまり』水季の死因「子宮頸がん」になりやすい人の特徴・早期発見のポイントを医師が解説を解説

これを例題に、HPV感染と子宮頸がんに関する自分の知識が正しいのか、間違っていないか、偏見を持っていないかおさらいしてみよう🐰
アマミノクロウサギ(Amamino_Kurousagi) 2024.07.31
誰でも

サムネはYahooから🐰

ドラマの方は見ていない(みれないから)。

TLに流れてくるので、登場人物の1人が子宮頸がんで亡くなったということくらい🐰

https://medicaldoc.jp/distribution/bn049/ より

https://medicaldoc.jp/distribution/bn049/ より

それに合わせて、医療記事がMedical DOCに上がっていた、過去の記事の再編集ということだが、内容は微妙だ。記事

ざっくりいうと正確でない上にアップデートもされていない。しかも、偏見も入っている。

HPVに感染することの負担の多くが、誤解や偏見に基づいていることを考えると、医療系の記事でこれはいただけない。

ま、練習になると思って、評価してみよう。

HPVの感染

ここは導入の部分だ🐰いろいろピリッとしない。

一生に一度は性交渉経験がある女性のほとんどの方が発症する可能性があるものです。

1. 感染と感染症にかかること、発症がきちんと区別ついていない。

『HPVに感染することとHPV感染症にかかることは違う』でちょっと詳しくまとめた。感染することがあるのはほとんどの人で、発症するのが一部の人だ。

そして、長期的に

また、性交渉をしていない人は子宮頸がんを発症するリスクがほとんどないといわれているようです。ですが、子宮頸がん以外の子宮がんは発症するリスクがあります。性交渉の経験があるないに関わらず、身を守るためにも定期的な婦人科検診を受けましょう。

2. 子宮にできるがんとして、大きく子宮頸がんと子宮体がんがあるが、無症状の人に対して、子宮体がんを予防できる検診って存在しましたっけ?

存在しない。気軽に検診受けましょうというと、いいことを言っている様に聞こえるが、無症状の人にたいして、子宮体がんの予防に効果がある検診・検査はない。

検診は健康な人にやるものだ。

性交渉によるウイルス(HPV)感染

(HPVは)性交渉経験者であれば一生に一度は発症するといわれているほど、高確率で感染する一過性のウイルス感染症です。
おい🐰

3. HPV感染のキーワードは持続感染。

一度感染すると、生涯にわたって持続感染する。感染は一生だが、HPV陽性となる様な、異形成として症状がある様な感染は、多くの場合一定期間(一過性)であるという意味。

感染と感染症の区別がついてない。

こちらがいい読み物だろう

2000年以降は子宮頸がんの発症率が急増しています。子宮頸がん発症率若年化の大きな要因は、性交渉の初回年齢が低下していることです。

4. 印象でだけそれらしいことを言って、実際とは乖離した言説ね。

実際、子宮頸がんの罹患リスクは①初交年齢と②通算のパートナー数だ。子宮頸がんの発症のピークが全体として、若年化するとしたら①の低年齢化が挙げられる。そして、それは1980年以降の傾向としては正しい。

一方、近年のデータを見てみよう(簡便化のために、10歳ごとに5歳年齢階級のデータを抜き出した、全部見せていいけど、ごちゃごちゃしすぎている)。

黒が全体の子宮頸がんの罹患率だ。2000年までは罹患率が減少傾向だったのが、2000年以降増加傾向にある。しかし、グラフを見て貰えばわかるように

『2000年以降は子宮頸がんの発症率が急増しています』これは間違いで、実際は微増と言っていいだろう。

しかも、若年(35歳未満としよう)の子宮頸がん罹患率は、2012年ごろから減少傾向にあり、過去10年間の上昇傾向は、おもに40歳以降の子宮頸がん罹患率の上昇と関係してる。若者の所為ではない。

子宮頸がん発症率若年化の大きな要因は、性交渉の初回年齢が低下していることです。

5. 過去20年間、初交年齢は低下しておらず中央値は上昇傾向であった。

日本性教育協会HPより

日本性教育協会HPより

200年ごろをピークに初交年齢は上昇傾向にあり、実際その影響として2012年以降の若年の子宮頸がんの減少として現れていると言える。

『見てわかるHPV②若い人で子宮頸がんは増えている?』こちらを見てもらうと少し詳しい。

さらに、若年層による子宮がん検診の受診率が圧倒的に低いことも大きな要因とされています。

5. 若年、特に20代の子宮頸がんの罹患率は、検診の受診率で影響を受けない。

これは、検診疫学に詳しければ常識と言えるのだが『20代の子宮頸がんは検診では予防できない・しにくい』ことが挙げられる。

20代に検診を導入したすべての国で、20代の子宮頸がん罹患率がほとんど減少していないのを見れば明らかだ。

一方、上皮内がんは検診をすることによってのみ上昇する。

もし、『2000年以降は子宮頸がんの発症率が急増』が上皮内がんを含むものであるのなら(実際そうであることが多い)、むしろ理由は逆で、

『若年の上皮内がん罹患率の上昇は検診受診率が上がったから』になる。そして、将来受診率が上がれば、上がるほど罹患率は上昇する。

子宮頸がんの症状は?

パス🐰

症状で見つかる前に、検診で前がん病変を見つけよう。

婦人科系の症状があれば婦人科を受診しよう。

以上

子宮頸がんになりやすい人は?

これがひどい🐰

ここからは皆さんが気になる子宮頸がんの発症率を高めてしまう行動や、子宮頸がんになりやすい人を紹介します。
『条件が当てはまる人』というのが、ひどい。当てはまらなくても、定期的に検診に行くのが重要だ。

『条件が当てはまる人』というのが、ひどい。当てはまらなくても、定期的に検診に行くのが重要だ。

・性交渉によるウイルス感染はほとんどの人に起こる現象であり、子宮頸がんが発症しやすくなる原因。

これはいいとして、性交渉は多くの人がするため、リスクの多寡にはあまり関係ない。未経験なら検診に行かなくてもいいよと言いたいのかな。

・性交渉の相手が多い。多いってどのくらい?

子宮頸がんの罹患リスクとして、通算のパートナー数が、0よりは1人の方が多く、1人よりは2人以上の方が多い。3人以上は数えてもリスクの多寡にはそれほど影響しない。

不特定多数とか性に奔放な人が子宮頸がんになりやすいというのは、誤った知識で典型的な偏見である。この表現をする場合は、誤解を生まない様に注意して使う必要があり、典型的な悪い使い方だ。

・早い初産・多産が子宮頸がんのリスク

妊娠時のホルモンバランスの変化が、発癌に一定の役割があるかも、と解釈される。しかし、何倍も罹患率が変わるとか、検診の頻度を変える必要がある様なリスクの違いではない。

・喫煙者

喫煙者はHPV陽性の人の上皮内癌の罹患頻度を2倍程度にする。禁煙は勧めるが、検診の頻度を変える必要がある様なリスクの違いではない。

・ピルの長期服用は子宮頸がん罹患のリスク

これも微妙だ。ピルの種類などで異なり結論が出ている様なリスクではない。あったとしても、何倍も罹患率が変わるとか、検診の頻度を変える必要がある様なリスクの違いではない。普通に検診を受ければコントロールできる範囲のリスクと言える。

ピル服用は多くの利益がある。利益と比較してそのリスクを考えるべきで、特に婦人科領域で『ピルの服用は子宮頸がんのリスク』と投げっぱなしで言ってしまうことは、適切ではない。

・免疫機能の低下は子宮頸がんのリスク

俗にいう『免疫力』信仰と混ざって様々な誤解のもとになっている。ここでの免疫能の低下とは、AIDSとか免疫抑制剤の投与など、病的に免疫機能が抑制されている場合を指す。

しかしその場合でも、普通に検診を受ければコントロールできる範囲のリスクと言える。

***
条件が少しでも当てはまる方は、子宮がんや産婦人科の検診を受診しましょう。

すべてこれが悪い。不適切だ。

『性交渉をしたことがある限り、特別にリスクが高い人・低い人、検診の頻度を変えるべき人はいない』

これが基本的な考え方だし、婦人科であればそう指導すべきところだろう🐰

治療法・予防法

パス🐰

編集部まとめ

これ、素人が表面上だけまとめたよね。

初期症状もなく早期発見が難しい子宮頸がんは、一生に一度は性交渉経験がある女性の発症リスクが高い病気です。

これは何か意味のある言説だろうか。

もちろん、避妊具を使用することでも発症リスクは抑えられます。

もちろんじゃないよ🐰一回の性交渉あたりの感染率は少し減るかもしれないが、

『おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?』ディオ

性交渉は繰り返し行われる、そのうち感染する。子宮頸がんの発症リスクがコンドームを使用するかどうかで大きく変わることはないよ🐰

検診や予防接種以外にも、定期的に産婦人科を受診することが早期発見を実現する有効な手段なのでおすすめです。

定期検診と何が違うの?検診のやりすぎは害が多いよ

🐰さんまとめ

相変わらず、ピリッとしない記事だ🐰

やるなら真面目にやってほしい(厳しい?)

こちらにまとめたので読んでほしい。

子宮頸がんに罹患するのは

①運が悪かったひと

これに尽きる。全員感染して、一部が癌になる。癌になるのは運の悪い人。

②検診を受けてない人

中高年の子宮頸がんはその多くが検診で予防できる。検診を受けていないことが最大のリスク

③これからの世代はワクチンを受けてない人

ワクチンで大部分の子宮頸がんは予防できる。将来、ワクチンんの接種・未接種で子宮頸がんの罹患率が最大10倍異なることになるよ。

インスタの方もツッコミどころ満載なのだけど、応用してください。

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