子宮頸がんでHPVのウイルス粒子が見つからないってどういうこと?
HPVが感染すると①感染を維持する細胞②ウイルス(ゲノム)が増殖する細胞③ウイルス粒子を産生する細胞の役割のことなる3つの細胞を形成する。がんは①から発症する🐰
アマミノクロウサギ(Amamino_Kurousagi)
2025.02.17
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あ、話が終わってしまったよ🐰
子宮頸がんは感染細胞のうち、ウイルス産生を行わない・感染を維持する細胞から発症する。だから、子宮頸がん組織・細胞からはウイルス粒子が見つかることはない。ウイルスゲノムだけが見つかる。
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まずHPVが標的とする皮膚や粘膜を構成する重層扁平上皮の基本から。

この皮膚や粘膜組織では、一番底にある細胞(基底層にある基底細胞)にだけ増殖する能力がある。細胞は基底層から離れると分裂はしない。分化プログラム(角化というよ)を経て角層となり垢として脱落する。
皮膚・粘膜のいちばんの昨日は体の内と外の間にあり隔てること。外から見た場合は、物理的な負荷であったり、水分や異物・細菌・ウイルスなどを体の内側に入れないバリアー機能として働くよ。
ここに感染した時に起こることを足してみた。
それぞれのウイルス蛋白質の発現部位と働きも説明。HPVはウイルス遺伝子が少ないから結構簡単。E5はごめんね🐰

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- 一定範囲が感染細胞で置き換えられ、病変(イボ)として成立するとこうなる・軽度異形成
- 乳頭腫の写真(マウスのイボ)
- 感染細胞・組織でも性質の違うものがある。ウイルスの産生を伴わない不全感染・高度異形成
- 結果『上皮内がん・子宮頸がんではウイルス粒子が観察できない』となる
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