なぜ必要以上の子宮頸がん検診が患者に不利益か?
サムネは今年の日本帰国の思い出
きっかけとなったマシュマロはこれ🐰簡単行きたい(看板倒れ)
異形成とは検診によって発生する病態だ🐰
検診で上皮内がん・高度(中等度)異形成を見つけて治療すると子宮頸がん罹患率・死亡率も減少する。1930年代パパニコロウ博士が提唱したPAPスメアは無数の女性たちを子宮頸がんから守ってきた。現在、子宮頸がんの負担は、大きく中低所得国に偏っているが『検診システムが十分に存在しない』国と同じ意味だ。
日本が中程度の子宮頸がん罹患率なのは、検診の運用が中途半端であることがその理由の一端にある。死亡率が低めなのは罹患後の治療が比較的優秀なため
①性交渉を介して子宮頸部にハイリスクHPVが感染するとその10%〜でCIN2+(中等度異形成以上)が発症する(型によって異なる)。
②CIN2+を放置すると、その中から一部・10〜30%で浸潤子宮頸がんが発症してくる(年齢によって異なる)。逆に言えば半分以上のケースで放置してもがんは発症しない。
③検診でCIN2+を発見し・がんになる前に治療すると、子宮頸がんの罹患率は大きく下がる(CIN2+が見つからない時くらいには下がる)。
(CIN2+は自然治癒する可能性が十分あるから、一定期間経過観察が許容できる)
ここで問題となるのは、検診を行うことで『①CIN2+の罹患』自体は減少せず、検診をすることによってのみ『③CIN2+の罹患その認知』がなされます。『異形成とは検診によって発生する病態』なわけよ🐰
高度異形成・上皮内がんを放置しても全てからがんが発症するわけではない
②CIN2+を放置すると、その中から一部・10〜30%で浸潤子宮頸がんが発症する。
ざっくり『上皮内がんを放置すると5人に1人浸潤子宮頸がんとなる』🐰逆に言えば5人に4人はがんにならない。
英国では定期検診が本格的に導入されてから、2000年代までの20年間で『検診によって6万人の子宮頸がん罹患者が減少した』と推定される一方『検診によって30万人の上皮内がんの罹患および治療が行われた』ことがわかっている。
簡単な算数ね🐰『検診で見つかった上皮内がんの数』と『それを放置した場合の罹患していたかもしれない子宮頸がんの数』の比は5対1だ。
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- 検診における過剰診断・過剰治療
- 問題は、検診で見つかったCIN2+が『がんに進むCIN2+』なのか『進まないCIN2+なのか』区別がつかん
- 検診で子宮頸がんは予防できるのだが、過剰診断・過剰治療がそのコストだ
- 検診で子宮頸がんは予防する場合の負担は?🐰
- では、なぜ必要以上の子宮頸がん検診が患者に不利益か?
- 過剰診断が多いほど検診から恩恵を受けたと感じる人が多くなる「ポピュラリティパラドクス」
- まとめ
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