HPVワクチンに効果があるってなぜ言えた ?③(新しいHPV感染予防ワクチンの評価方法)
2価や4価でワクチンは終わりではない。新しいワクチンだってでくる。接種方法も変わっていく。どの様に評価していったらいいのだろうか?
アマミノクロウサギ(Amamino_Kurousagi)
2024.05.12
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前回2回に渡ってHPVワクチンに効果があることが、どの様に示されてきたのかを説明した。
2価4価HPVワクチンの開発が成功し、集団接種が導入されていくわけだが、もちろんHPVワクチンはそれで終わりではない。
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ご存じのとおり、9価が開発され(導入され)た
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MSDはさらに多価ワクチンの開発が進行中で今年より臨床試験に入ることを発表している
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既存のワクチンでも接種方法の変更(対象年齢や回数)にともなう効果評価はどうするのか?
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2価・4価ワクチンも、製法の異なるワクチンが開発された(中国・インド)、評価をどうする?
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汎HPVワクチンの開発も進むが、将来どの様に評価したらいいのだろうか?
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なぜ、この様なことが問題になるかと言えば、薬やワクチンに『効果ある』ことをなんらかの形で示されないと承認され使用されることはない。新しいワクチン・使用法に関してはそれぞれに根拠が必要になるから。
もちろん、それぞれに①の様に2価4価ワクチンおいて子宮頸がん予防効果として使用された評価方法が使えれば問題ないのだけど、実際は色々と問題が起こる。
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- 最善と証明されている方法(プラセボ)の存在
- 短期間で(現実的な期間で)評価できる方法はありませんか?中和抗体の誘導能で十分じゃない?
- では、どの様にHPVワクチンの効果を評価したらいいのか?
- HPVワクチンの効果は中和抗体の存在に依存する
- 感染予防能の評価における『持続感染』について
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