『HPVワクチンは赤ちゃんの命も救っている』
若年型気道乳頭腫症(JORRP)の話と思ったあなた🐰今回は少し違う話
アマミノクロウサギ
2025.12.15
読者限定
若年型気道乳頭腫症(JORRP)の話はこちら『生まれてくる赤ちゃんの気道乳頭腫症を予防しよう:HPVワクチンキャッチアップ対象者の方へ』を読んで🐰
今回は別の話、なるべく簡単に
前がん病変の治療の問題
子宮頸がんは定期的な検診を行って『発見される前がん病変(中等度〜高度異形成・上皮内がん)を適切に治療することによって』その多くを予防できます。
ここには問題が幾つかあって…
・検診は前がん病変の罹患を予防できず、むしろ検診によってのみ前がん病変は発見される(罹患を自覚する
・前がん病変を持つ人が全て子宮頸がんになるわけではない。平均して20年で20%といったところだ。つまり、一定の(8割ということになるが)過剰診断・治療を行うことになる。検診で子宮頸がんを予防する場合の支払い必須の余計なコストだ
・前がん病変の治療はその中期的な後遺症として『妊孕性に与える影響』がある。
早産・ 低出生体重児・ 前期破水・ 子宮頸管無力症、これらのリスク増加が一番懸念される。
・しかも、前がん病変の罹患は40歳未満に集中する。つまり、検診をするのなら(ここ重要)前がん病変治療の後遺症が問題となる人が山ほどいるということだ。
この記事は無料で続きを読めます
続きは、3608文字あります。
- 今回は珍しく一つの論文をネタに説明
- The impact of human papillomavirus (HPV) vaccination on the risk of adverse obstetric outcomes.
- さて結果をそのまま鵜呑みにしたらいかん🐰
- 早産(sPTB)・低出生体重(LBW)について
- “破水”について
- 妊娠高血圧腎症について
- この研究のまとめ
- 『HPVワクチンは赤ちゃんの命も救っている』
すでに登録された方はこちら