HPVの存在証明(11)分子生物学の導入
『HPVの存在証明⑧乳頭腫・イボは感染性の病気だ』において、ヒトに乳頭腫(papilloma, イボ)を作る濾過性病原体(ウイルス)としてのパピローマウイルスの存在が確立したことを説明し、
『HPVの存在証明⑨Shope Rabbit Papillomaの登場』において、ウサギにおいて同様の乳頭腫(papilloma, イボ)を作る濾過性病原体(ウイルス)としてパピローマウイルスの存在が確立したことを説明した。
『HPVの存在証明⑩パピローマウイルスを分離・精製してその姿を明らかにしよう!』において、ウサギおパピローマウイルスの分離から精製、電子顕微鏡を用いての可視化まで行った。
・『コットンテイルラビットにイボを起こすことのできる濾過性病原体』としてのShope papillomavirusが分離・精製された上に同定された。
・その物理・化学的な性質(大きさや密度)に加え、どのような姿をしているか電子顕微鏡写真(55nmの直径をもつ均一の(正二十面体)のウイルス粒子)が捉えられた。
・分離・精製されたShope Papillomavirusはコットンテイルラビットに接種することによって、同じようなイボを再現することができ、そのイボからは同じようなウイルスが再び分離・精製することができた。
ここに、コットンテイルラビットをホストとして『コッホの4原則』を完全に満たすことのできるウイルスが同定されたと言うことができる(Shope Papilloma Virusと当初よばれ、cottontail rabbit papilloma virus (CRPV)と名前が変わり、現在正式にはKappapapillomavirus 2, Sylvilagus floridanus Papillomavirus 1 (SfPV1)とされる)。
今回はその先のはなし🐰